10月27~28日のFOMC:エネルギー発のインフレに直面するFRB

2023年以来の利上げから1カ月、インフレ率3.7%、原油価格が1バレル100ドルを超えるなかでFRBが会合を開きます。議事要旨、経済見通し、そして市場が示していることを整理します。

米連邦準備理事会(FRB)は2026年10月27~28日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開きます1。FOMCは9月16日、政策金利を0.25ポイント引き上げて3.75~4%の範囲とし、投票権を持つ12人の全会一致で決めました2。利上げは2023年7月以来で、2024年9月から2025年12月にかけて6回の利下げを行った後のことです3。

2023年1月以降のフェデラルファンド金利誘導目標の上限
フェデラルファンド金利誘導目標の上限(%)。出所:FRB。

FRBが利上げに動いた理由

9月の声明は、経済活動が堅調なペースで拡大し、失業率はほぼ横ばいで、インフレは高止まりしていると説明しています2。10月7日に公表された同会合の議事要旨は、主な原因をはっきり挙げています。紛争に伴う混乱で原油と燃料の価格が上がり、物価にも、輸送から原材料に至る企業のコストにも重くのしかかっているというものです4。

その後に発表された指標も、同じ方向を示しています。

  • 消費者物価:9月は前月比0.6%上昇、前年同月比3.7%上昇でした。エネルギーは前年比20.4%、ガソリンは34.2%上がっています5。
  • 食品とエネルギーを除くベース:前月比0.3%上昇、前年同月比2.6%上昇です5。インフレの主因はエネルギーです。
  • 生産者物価:9月は1.3%上昇しました6。
  • 原油:WTI原油は10月20日に1バレル107.89ドルをつけました。1年前は58.66ドルでした7。

FRBがすでに示唆していること

議事要旨によると、参加者の大半は年内の追加利上げが適切になる可能性が高いとみていました。同時に、各会合には前もって結論を決めずに臨み、データとリスクのバランスをもとに判断するとしています4。

9月に公表された経済見通しも、これに沿う内容です。中央値では、政策金利は2026年末に4.1%、2027年末も4.1%です8。個人消費支出(PCE)物価指数でみたインフレ率は2026年が3.7%、2027年が2.3%で、食品とエネルギーを除くと3.4%、2.5%となっています8。

労働市場も逆方向には働いていません。議事要旨は、雇用情勢は安定しており、完全雇用に近いと評価しています4。9月の失業率は4.2%で、速報値では雇用者数が2万9000人増えました6。

10月か、12月か

年内の会合は残り2回で、10月の会合と12月8~9日の会合です1。10月の会合では新たな経済見通しは公表されず、次の見通しは12月に出ます1。

その間に、注目される指標がいくつか発表されます9。

日付発表
10月29日第3四半期GDP、個人所得・個人消費支出(9月のPCEインフレ率)
11月6日10月の雇用統計
11月10日10月の消費者物価指数

市場が注目していること

10月22日の米2年債利回りは4.65%、10年債利回りは4.96%でした10。3カ月物の米財務省短期証券の利回りは4.22%で、実効フェデラルファンド金利の3.88%を上回っています10。この差には、追加利上げへの期待が一部反映されています。

通常の国債とインフレ連動債の利回り差から読み取る10年の期待インフレ率は、10月23日に2.34%でした11。議事要旨はすでに、原油高で短期のインフレが上がる局面でも、長期の期待インフレは安定していると指摘していました4。

では暗号資産は?

ビットコインのように利回りを生まない資産にとっては、実質金利が重要です。実質金利とは、リスクのない運用で得られる利回りからインフレ分を差し引いたものです。10月22日の米10年債の実質利回りは2.64%でした12。

もう一つ注目されている変数が、金融システムの流動性です。FRBのネット流動性を扱った記事で、その3つの構成要素と過去2年間の推移を詳しく解説しています。

出典

  1. FRB、FOMCの会合日程。 ↩
  2. FRB、2026年9月16日のFOMC声明。 ↩
  3. FRB、政策金利の推移。 ↩
  4. FRB、2026年9月15~16日のFOMC議事要旨、2026年10月7日公表。 ↩
  5. 米労働統計局(BLS)、2026年9月の消費者物価指数、2026年10月14日。 ↩
  6. 米労働統計局(BLS)、主要指標、2026年10月。 ↩
  7. FRED、WTI原油価格(DCOILWTICO)。 ↩
  8. FRB、2026年9月の経済見通し。 ↩
  9. FRED、経済指標の発表日程。 ↩
  10. FRED、米国債2年物(DGS2)、10年物(DGS10)、3カ月物(DGS3MO)の利回りと実効フェデラルファンド金利(DFF)。 ↩
  11. FRED、10年期待インフレ率(T10YIE)。 ↩
  12. FRED、米10年債の実質利回り(DFII10)。 ↩

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